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彼の芸術は表現への欲求がエネルギーの源である。楽曲の歴史的背景や演奏解釈の正当性を探究するのは彼にとっては当然のことであり、彼の目指しているのは言葉を介さずに他者と通じることの実現である。ヴァイオリンの音の人の声との近似性が、楽譜に内在する様々な感情や衝動を表現するためのインスピレーションの源泉となり、そこから溢れる彼の自由な演奏表現が聴衆にとって特別な音楽体験となるのだ。

1991年ヴァイオリン一家に生まれる。5歳で祖父マティス・ワイツナーにヴァイオリンの手ほどきをうける。2001年、リヨン国立高等音楽学校においてクレール・ベルナールに師事し、2007年にはパリ国立高等音楽学校に編入しボリス・ガリルツキーに師事する。2014年からは若いソリストのためのクロンベルク・アカデミーにおいてミアエラ・マルティンに師事している。

音楽的成長は数々の受賞歴に見てとれる。アンリ・コッホ国際ヴァイオリン・コンテストやヨーロピアン・ヤング・コンサート・オーディションでの入賞。2012年、エリザベス王妃国際音楽コンクールにおいてファイナリストとなり、翌2013年「モントリオール国際音楽コンクール」で優勝する。近年ではジョルジュ・ガーラ氏が主宰するユベントス財団から表彰され、2016年、「ラインガウ音楽祭」においては”Lotto-Förderpreis”を受賞。2019年6月にはチャイコフスキー国際音楽コンクールにおいて2位となった。

質の高い演奏により各方面から賞賛を集めている。スイスのライオネル・ブリンガー指揮のトーンハレ・オーケストラとの共演し、Neue Zürcher Zeitung紙に「間違いなく、特別な才能！」と称賛される。2016年にはクリストフ・エッシェンバッハ指揮のｈｒシンフォニー・オーケストラ（ドイツ・フランクフルト）、さらにアンドレイ・ボレイコの指揮のもと、二つの一流オーケストラ、ベルギー国立管弦楽団とRAI国立交響楽団（イタリア）との共演を果たす。

過去にはハンブルグ北ドイツ放送交響楽団、リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団（フランス）、モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団、ライン州立交響楽団（ドイツ）とも共演している。2014年にはマリス・ヤンソンスに招待され、ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団と共演した。

室内楽演奏にも熱心に取り組み、世界各地の音楽祭に出演する。2016年、ロンドンのウィグモア・ホールでデビューし、ロンドン・ミュージック・マスターズ賞を受賞。2018年には「イヴリー・ギトリス・アワード」を受賞。2019年夏にはヴェルヴィエ音楽祭出演。

使用楽器: Edwulstrad RMIC Ltd.より貸与された1742-44年製 Carlo and Michelangelo Bergonzi

J.S.バッハ: 無伴奏パルティータ　第2番　ニ短調　ＢＷＶ 1004 より　シャコンヌ

イザイ:　ソナタ　第6番　op.27

「ナルシズムに耽溺することも、虚飾してごまかす必要もない巨匠」
― フランク・ヴィトマー　音楽学者

彼は魅惑的な音色。豊かな表現力と完璧なテクニックを併せもっている。」
―ラインガウ音楽祭

• ウジェーヌ・イザイ： 無伴奏ヴァイオリン ソナタ 第5番 ト長調 op.27
• J.S. バッハ： 無伴奏パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
• ウジェーヌ・イザイ： 無伴奏ヴァイオリン ソナタ 第4番 ホ短調 op.27
• マルク・ブシュコフ： 無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲
• H.W. エルンスト：シューベルトの「魔王」による大奇想曲